社内結婚は良くあることですが、かつて女性は結婚or転職を同時に決断することが多くありました。それは、同じ会社の中で恋愛をし結婚をすると、家庭だけでなく会社においても顔を合すことになるからです。出社をするのも一緒、社内で出合えば他の社員の目が気になりますし、お互いに言葉を探すのも面倒になるかもしれません。
また、人事部では人事異動のたびに配属先に苦慮します。同じ配属部署を避けても、大きな企業ともなれば部署間の情報はお互いに秘密事項となります。いくら秘密といっても、お互いに家庭では会話になってしまう可能性があるでしょう。会社は業務を行う場所ですから、ミスを犯せば叱られます。同じ職場で夫や妻が叱責を受けているところを見るのはつらいものですし、叱る方も夫や妻が見ていると思えばやりにくいものです。
昔であれば、社内結婚で仲人に上司を立てる、といった話も多く見られました。仲人のお願いをした場合、毎年のお中元やお歳暮などのやりとりをするのがマナーとされていました。場合によっては、お正月に挨拶に伺ったりすることもあるでしょう。上司と長い付き合いになることは普通にありました。
しかし現代では、そういったことは煩わしいこととしてあまりやらなくなりました。結婚後は家庭における出来事や二人だけの生活を守るために、男性はキャリアを優先して会社と共に成長し出世を目指し、女性が専業主婦になったり、別の職場に転職したりすることになるのです。
会社によっては、こういった煩わしさを防ぐために、社内結婚や恋愛を禁止している場合が比較的多く見られます。